病院廊下でのスカリー告白のシーン
ジョー司祭の霊視能力を信じたいモルダーと、彼はニセモノだと言い張るスカリー。
引き止めようとするスカリーを振り払い、ジョー司祭の霊視を手がかりに、被害者を捜しに行くと言うモルダーに対して発せられる、スカリー一世一代の愛の告白セリフ。
[オリジナル]
Mulder, you think I don't understand, but I do.
This stubbornness of yours, it's why I fell in love with you.
※「モルダー、あなたは私が理解してないと思ってるけど、ちゃんとわかってるのよ。あなたの頑固さに、私は恋に落ちたの」と言っていますね。日本語字幕では「その頑固さに惹かれたの」というような訳で、「あれじゃあモノ足らん!(怒)」という声も聞かれました。でも私が字幕翻訳家なら、やっぱ「惹かれた」という表現にしたと思うな…。
[フランス語]
Mulder, tu ne vas peut-être pas me croire, mais je t'ai compris.
Ton obstination, c'est ce qui m'a séduit.
※obstination [仏] = stubbornness [英] = 頑固さ [日]
※séduire [仏] = to seduce [英] = 誘惑する、心をそそる、魅惑する [日]
[英語に直訳]
Mulder, maybe you won't believe me, but I understood you.
Your stubbornness, that's what seduced me.
※「理解した」のくだりは、仏語では過去形になってます。
[日本語]
モルダー、信じないでしょうけど、私はあなたを理解したわ。
あなたの頑固さが、私を魅惑したの。
※「あなたの頑固さが私を誘惑したの」とでも、「あなたの頑固さが、私の心をそそったの」とでも、お好みで。
この "séduire" という言葉のチョイスに、再びアムール大国フランスを感じますねぇ。
英語でも "seduce" って、かなり妖しいというか、艶めかしいというか、そういう単語じゃありません?
芳醇な赤ワインのかほりが漂ってきそうですよ。
ボルドーって感じですよ。(ワインのことをまったく知らんはちお、かなり無理してます)
オリジナルの "fall in love" という表現、日本語でも「恋に落ちる」と言いますが、フランス語でもまったく同じ "tomber(= fall) amoureux(= in love)" という表現があります。
なのにわざわざこの表現に変えるって、その真意はいかに。
ちなみに "séduire" という単語を「プチ・ロワイヤル仏和辞典」で調べると、
と出ます。1. 〈人を〉誘惑する、心をそそる;魅惑する
2. 〔文〕〈女性〉を誘惑する、たらし込む
3. 〔古風〕…を幻惑する
4. 〔古〕…を堕落させる
こらぁ〜モルダー!
スカリーをたらし込んではなりません!!
堕落させてもいけません!!
しかも「2.」の例文は、
ですと。〜une femme mariée
人妻を口説き落とす
アムール!!
カジュアルでストレートなアメリカでは「恋に落ちる」。
アムール大国、おフランスでは「
武士道と大和撫子の国、日本では「惹かれる」。
文化を感じますねぇ、文化を…!
『X-ファイル』は文化です。
フランス語解説、ありがとうございます!
私は英語を多少たしなんでおりますが、第2外国語はさっぱり…でしたので、言語学&文化の点ですご〜く興味深かったです。
…って「過去形」を使ってしまいましたが、まだ続きますよね?(とかプレッシャーをかけてみます(笑))
少しずつでもいいので、是非続けてくださいね。お願いしま〜すm(__)m
でも真面目な話、本当に国民性によって捉え方が違ったりするんでしょうかね?とりあえず、フランスではモルダーがたらし込んだ…と(違)。いや〜深いなぁ(笑)。
Seduceって、ちょっとーーーー!!!
嬉しいというより、こう来たか!!みたいな(笑)。
私は映画を見たとき、It's why I fell in love with youで、映画館の座席から落ちそうになりましたが、That's what seduces meってスカリーが言ってたら、多分座席から落ちるところまでは一緒ですが、同時にぶはっっと吹き出してます(迷惑な客です)。
Seduceって全然スカリーのイメージじゃないよ!!(爆笑)
初コメント有難うございます!
> まだ続きますよね?(とかプレッシャーをかけてみます(笑))
ぎょえーーー!
とりあえず、今回で一区切り…と思ってたんですが!
プレッシャーに弱いはちお、くじけてしまいそうですが、またネタがありましたら(忘れた頃に?)【その5】を更新させて頂きます〜。
あ、IWTB以外でも良いんですよね。
今後ともよろしくお願いいたします!
☆ 納豆プリンさん ☆
XF9年分を数週間で制覇したんですよね?!
そんな納豆プリンさんがまだ読破してないとは、私はどんな量の記事をこの一ヶ月で書いてしまったんだ…!
日本語字幕の物足りなさ…確かに文化の違いはマジであるかも知れませんよ〜。
日本人はやはり控えめだったり、「行間を読め」みたいなところがあるのかも。
> フランスではモルダーがたらし込んだ…と(違)。
フランス版モルダーはそーいうコトで(笑)
こうなったら、イタリア版モルダーとかも気になってきますわね。
もっと軟派野郎かな〜?
ドイツ版とかロシア版とかはバリバリの堅物だったり。
文化ですなぁ…!
☆ Rikaさん ☆
> 約束どおり、大学院始まっても遊びに来ましたよー!!
わーい。これからもお勉強の合間に鋭いツッコミお願いしますねー。
> 座席から落ちるところまでは一緒ですが、同時にぶはっっと吹き出してます(迷惑な客です)。
ひとりコントですやん!(笑)
スカリーのSeduceは、笑いに繋がってしまいますか!?
まぁでもフランス人の感覚から言うと、我々が感じるほど、どひゃーーっではないのかもしれませんねぇ。
日本語では控えめな表現から各々が汲み取る傾向にあるのが、仏語ではそうではないとか…?
"seduce"を単語として英訳、和訳したらそうなりますよってだけで、文化や国民性、歴史、宗教なんかによる、言葉そのものの意味以上の違いを含んでるのかも知れませんねー。
深い深い…。
もう嬉しいを通り越して、ちょっとあんた!!って突っ込みたくなってしまいそうです。この6年でまるで別人のように変わってしまったのねーと(笑)。
でも確かに、seduceって英単語で考えたら「まじっすか!?」って思ってしまうけれど、フランス人の感覚がわからないので、この場合はこれでも普通なのかもしれませんね。どうでもいいですが、今日の授業で教授がseduceという言葉を使った時、一人でめちゃくちゃ反応してしまった。(どんな授業受けてるの!?って突っ込みは抜きでお願いします・笑)
ぜひぜひ、またフランス語Xファイルよろしくお願いしまーす

フレンチ・スカリーはそうみたいですねぇ。
> 教授がseduceという言葉を使った
どんな授業受けてるの!?
とあえて聞いてみる。
これはね、天からのメッセージかも知れませんよ、うんうん。どんなメッセージかは知らんけど…(超テキトー人間はちお)。
でも教授をSeduceしてはだめですよ!
Maybe it's not God doing the sending・・・なんちゃって。
その問題のクラスは・・・
ミラグロでモルダーが郵便物を盗むという行為を正当化する為に引用したというヘーゲル哲学でございます。
まさか、そのエピがきっかけでそのクラスをとろうと思っただなんて教授には言えないいえない・・・
ほぉ〜〜……。
理解出来るかはさておき、聞いてみたい。
真剣な話、XFのジャンルはSFでもミステリーでもなく、「哲学」と判断してる私。
Rika先生に講義して欲しいです。
教科書はコレ↓(誰か、日本語訳を…)
http://www.amazon.co.jp/Philosophy-X-Files-Popular-Culture/dp/0813124549/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=english-books&qid=1232166744&sr=1-3
> エピがきっかけでそのクラスをとろうと思っただなんて教授には言えないいえない・・・
言っちゃえ言っちゃえ!!
哲学的要素がたっくさん含まれていますものね。
>Rika先生に講義して欲しいです。
>教科書はコレ↓(誰か、日本語訳を…)
存在は知っていたのですが、本当に哲学的に分析した本だとは知りませんでしたよ!!さっそくアマゾンでオーダーしました。Xファイルと哲学なんて、私の好きなものばかりじゃないですかー!本当に勝手に講義しちゃいますよ!
ヘーゲルはまだクラスが始まったばかりなので詳しくはわかりませんが、どうやらヘーゲルの積極的自由と所有権の説に関係がありそうです・・・(自信ない・・・)
行動早い!
タイトルから哲学本と思ってるだけで、実際の内容はあんまり確認してないんですよ。
かく言う私も、オーダーして届き待ち…。
> 積極的自由と所有権の説
・・・・・。


